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左官屋のヒトリゴト

 
30
 
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左官屋のヒトリゴト

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22
 
ハイブリッドコピーライターの竹島靖氏が
すまいに関する「住育」の重要性を訴えている

これまでの20回の引っ越し、住宅体験をもとに
住宅の抱える構造的問題テーマに、作り手と住まい手の幸福な関係を
目指して活動をしている

竹島氏は
「知れば知るほど日本の家は貧しい」
「いかに時間をかけずに家を造るかに走っている」
「生活者が住まいの良否を判断するモノサシを持っていない」
「いい仕事や素材を正当に評価する見識を持っていない」

その結果、住まいをめぐるマーケットは悪貨が良貨を駆逐している
また欠陥住宅やシックハウスをはびこらせた張本人は我々だと訴える

日本人が住んできた伝統的家は今古民家として人気がある
日本の過酷な風土の中で生き抜いてきた知恵の結晶であり
職人文化の産物である
長い時間をかけて作り上げた芸術品でもあろう
素材は全て自然に帰る自然素材で出来ている

現代の家の材は工業製品であり、自然に帰らないものが殆どである

自然の素材は不揃いであり、割れたり、傷が付いたりする不便さがある
現代人は不便を嫌う、ゆっくりも嫌う傾向があるのでは

漆喰珪藻土壁を奨めても、カラフルな模様の
ビニールクロスを選ぶ人が多いのも現実である

竹島氏の嘆きが身に沁みる記事であった


 
22
 
一財)建設経済研究所 がまとめた左官工事業のレポートがある
2004年から今年まで6回報告されている
最新号は2015年4月である

それによると55歳~64歳の左官が4割を占め
高齢者が多く若者が少ない傾向が鮮明であることが分かった。
60歳以上の左官が約4割平均年齢53.6歳で
建設技能労働者全体の平均年齢を7歳も上回っている。

建築に占める左官工事の比率は現在1%で、最盛期の10%から大きく減った
建築工事の経済性重視、工業化、合理化の流れの中で手仕事の左官は大きく仕事を減らされたのである。
公的機関の報告である大いに耳を傾けて聞いてもらいたいものだ。

予想であるが現在左官人口は約5万人で、高齢化で、毎年6000人リタイヤしている危機的状況である。
このままでは日本の建築文化を支えてきた左官技能が消滅する恐れが十二分にある。

 
09
 
建設業界、職人不足、職人の高齢化、若年者が入職してくれないの、トリプル難題があるが
某スーパーゼネコンは、人手不足はあまり心配していないようである

不足感はあるがバブル景気の頃のような不足は感じていない
人手不足問題が今後も続くかは東京五輪の施設工事、それに付随するインフラ整備工事
社会資本整備に関わる工事の発注次第でしょうと述べている

東京五輪までは不足感はあるが、五輪以降は心配していないようだ

国交省高官は、若者の入職、離職対策として
働く皆さんの処遇を改善し、将来への希望と誇りを持って仕事が出来る環境を整えることが重要であり
対策として、建設企業が社会保険に適切に加入し
職人に適切な水準の賃金を支払っていくことを実現するということが第一歩と話す

技能習得期間の長い伝統技能職種は、若者に嫌われる傾向にある
特にゆとり世代は早く覚えられる、楽な職種に惹かれるようだ

伝統技能は現代の効率のみの乾式の建築には採用されることはない
伝統技能職種は高齢化が著しく、大量のリタイヤが始まっている
リタイヤは一瞬であり、養成は.数○○年掛かるのだ

海外から技能研修性を入れる動きもあるが
彼らが日本の美意識を持った職人になれるのだろうか
また日本の職人の持つ美意識が作り上げた美しい建築を
彼らが造れるのだろうか疑問に思う
研修期間が5年になったが、彼らは帰ってしまうのである

そのうち、そのうちで日が暮れてしまうであろうことを恐れる
 
04
 
岩手県釜石市で 復興公営住宅が2月26日竣工した
4棟で総戸数156戸
職人不足対策として、部材を工場で製作し、現場で組み立てる手法である
鉄筋コンクリート造りでは19か月かかるところを12か月で完成した
建物はスチール・コンクリート充填H型鋼・構造面材パネルを工場で製作し
現場で組み立てるスチールハウス工法であり、
型枠大工、鉄筋工を出来るだけ減らした工法である

当然左官の塗り壁は皆無だろう

五木寛之氏が
週刊新潮2015.3.26号
生き抜くヒント
「乾いた時代の中で」と言うエッセーに

時代は乾いてしまった、情というものが嫌われる時代と嘆いている

戦後の建築界では湿式工法から乾式工法への大転換がおこなわれた
昔家を建てる時にはいろんな場面で水が大量に使われていた
いまではまったく水を使わなくてもビルが建つという
金属とガラスとプラスチックですむのである
乾式工法とはそういうことらしい

最近、地方の文化ホールとか、その手の施設はどこも灰色が基調で
楽屋の内装なども、判で押したように画一的だ
乾いている
湿度が殆どない
いま時代は乾ききっているかのようだと嘆いている

鶏がゲージ飼育で大量に卵が生産されてきた
60センチのゲージに6羽も押し込まれ、眠ることも許されず
卵を産み続ける機械と化した
その卵を食べて人は何ともないのだろうか

職人不足で職人をなるべく使わない工法へ建設業界は向かっているようである
職人を育てる建築、工法を考える人はいない
日本から建築職人は確実にいなくなるだろう

乾ききったスチールハウスに住んで人は幸せに、健康に過ごせるのだろうか

今古民家が外国人にブームであるようだ
ある外国人が言っていた
古民家は日本の宝である
古民家は職人の技能の結晶である

スチールハウスは100年後に何と評価されるのだろうか


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根子清

  • Author:根子清
  • 茨城県水戸市で左官業を営んでいます。

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