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左官屋のヒトリゴト

 
29
 
格闘
工文社の建築仕上げ技術7月号に建築家の植田崇郎氏が
「設計者から見る打ち放しコンクリート
ユーザーから見る打ち放しコンクリート」
サブテーマ「自ら設計したRC住宅に暮らして~と言うテーマでコメントしている。
コンクリート打ち放しのよさは

コンクリート打ち放しは後から修正がきかないのでつくる厳しさが違う。作り手の緊張感が建物にも反映されるところが魅力。
コンクリートが作る打ち放しの模様が型枠の精度が高くても不均一になる。その偶然が作り出した模様も気に入っている。
ある意味 「運を天に任せる」ようなところが魅力である
植田さんはコンクリート打ち放しは後で修正がきかないと思っているようだが、
現実にはコンクリート打ち放し仕上げは100%修正をしているのである。
これは建築家の知らないところである。

住んでみた感想は

RC打ち放しの住宅で暮らすには、それなりの覚悟が必要である。
コンクリートは熱を通しやすいので冬は寒く、夏は暑い。
冬は躯体の温度が低いので結露しやすい
夏場は、コンクリートが蓄熱しているため、夜中でも室内に熱を放射します。

最近の住宅は快適さを売り物にしていますが、あまり住宅の快適化が進むと、人の体が
次第に環境の変化への対応力を無くしてしまうのではないかと感じています。

RC打ち放しの住宅は決して住みやすいものではありません
室内の温度は外気温に大きく左右されます。より良く住もうと思えばいろいろと手間がかかります
RC住宅は取り立てて便利でも、快適でもありません
しかしながらそうやって自ら考え、工夫し、動く事で、住み手が成長する部分があると思う。
RC打ち放しの住宅は、住まい方を住む人にある程度強制するのです。

RC打ち放しの建築は、デザイン面では装飾性がなく、機能面ではさまざまな工夫をしない限り快適ではありません。

安藤忠雄氏は住まいと格闘して住むと言っていた。
RC打ち放しで有名な住吉の長屋の住人東氏は、冬は何とかなったが、夏の暑さだけは耐え難いものがあった。
この家を譲ろうといっても多分誰も貰わないであろうとコメントしていた。

自然界は厳しく、過酷なものであり、仕事をするには快適な環境ではない。
冬は寒いし、夏は暑い、それでも生きていくために自然の中で働いている職業が多くある。

左官は真夏の炎天下でもラッキョウのような汗を流し,冬は鼻水を流し、寒風に震えながら家族を養う為に働くしかない。
疲れて、へとへとになってやっとの思いで家に帰るのである
家に快適さを求めるのはいけないことなのだろうか。
勿論、現代の高気密高熱で全室冷暖房完備のような行き過ぎた快適は良くないとは思う。
家に帰ってからも、家と格闘するのはごめんこうむりたいものである。

先人ははいう
孟子は「居は気(精神)を移す(変える)
ソクラテスは「住宅は人格形成の場である」
松下幸之助は「住宅は人間形成の道場である」
ハンチントンは「住まいは人間と最も密接な関係を持つ中心的な生活環境である」
住まいは単なる雨露をしのいだり、格闘する場でないと思う。

日本の家は夏の高温多湿から、自然素材だけで、エネルギーを使用せずに、マイナスイオンの多い抗酸化空気を作り、疲れて帰ってきた人を癒してくれる快適な環境であった。
日本の気候特有の夏の高温多湿の過酷な自然環境から人を守ってきた家であった。
その日本人の智慧がどこにいってしまったのであろうか悲しいことである。
RCの家でも室内を新しい土壁、石灰系珪藻土壁「エコ・クイーン」で塗れば快適環境に変えられる
日本の住文化、土の文化を見直したいものだ。


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根子清

  • Author:根子清
  • 茨城県水戸市で左官業を営んでいます。

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