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左官屋のヒトリゴト

 
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10月18日国土交通省と日左連とのヒアリングに参加した。
東京の鈴木光さん、新潟の佐久間さん、日左連専務理事の岡野さんの4人である。
主に打ち放し仕上げB種にモルタル塗をする際の塗り厚み、、下地処理、モルタル材料等であった。
最後に佐久間さんが問題にしている。打ち放し面補修が型枠工事に入っているので左官業界が非常に困っている事を話した。
営繕部 施工基準係長から、この問題は、計画課の積算基準係りがいいと紹介され
後日訪問する事とした。

コンクリート打ち放し仕上げの補修の問題は平成元年に左官の問題点として左官教室に発表以来
諸雑誌に多く掲載されてきたが、非常に分かりにくい問題であり理解がされにくかった問題である。

この問題は国土交通省と設計業界、ゼネコン、左官業界、建設物価本で補修の見解が違う事だ。

国交省は積算基準において型枠工事の中に
コンクリート打ち放し仕上げの打ち放し面補修 A、B、C種がある。
施工は特殊作業員がするとあり、施工する職種は明確でない。

特殊作業員とは相当程度の技能および高度の肉体的条件を有し、各種作業について必要とされる主体的業務を行うものとある。
特殊作業員が左官でない事は確かであろうと思うのだが現実には左官業界が下地調整の中で施工している。

A種は コーン処理
B種は 部分目違いばらい コーン処理共
C種は 全面目違いばらい
と3種類のコンクリート打ち放し面補修がある。

国交省の見解はコーン処理、目違いはらいが打ち放し面補修であり、補修とは塗る事ではないのだが
左官もゼネコンも一般にコンクリート打ち放し補修は補修材を塗ることと思ってきた。

各種仕上げ、吹付、塗装、壁紙のコンクリートの下地処理において
仕上塗材仕上げ(吹付工事)のコンクリート下地処理は下地調整で左官工事にある。
塗装、壁紙張りのコンクリート下地処理は 素地ごしらえの中に下地調整塗りとあり、塗装、内装工事にある。

仕上げ塗材仕上げの下地調整は最大厚みが10mmとあり、10mmあればコンクリートの躯体修正は殆ど発生しないと思う。
しかし現実の契約は厚み10mmで無いのでコンクリート躯体修正の問題がゼネコンの間で多く発生し、お金が貰えない話題に事欠かない。

塗装工事、内装工事(壁紙張り)のコンクリートの素地ごしらえ 下地調整塗りは左官でするとあるが
塗装、内装工事(壁紙張り)に入っているのは面白くない問題だ。
左官でするとあるのだから左官工事に含めるのが本当であろう。

素地ごしらえ 下地調整塗りは厚み2mmであり、塗り厚2mmで仕上がるようなコンクリート打ち放し仕上げはまず無い。
下地調整塗り前のコンクリート躯体修正が多く発生し、これもお金が貰えない話になる。

タイル工事のコンクリートの下地処理は何処にもない。
国交省はタイル工事の下地はコンクリート打ち放し仕上げは認めず、モルタル塗とあるからである。
国交省はモルタル塗りだが、民間はコスト優先でタイル下地はまず塗らない、直張りで補修といっている。

タイル下地のコンクリート打ち放し仕上げの補修の定義が
明確でないのでこれもお金の貰えない問題が多く発生するのである。

問題は設計、建設、左官業界、建設物価本は
国交省の定義する補修と各種仕上げにおけるコンクリートの下地調整を一緒にして補修という用語で積算している事だ。

国交省の意味する補修は塗りでは無いのだが
左官も設計士も現場監督、建設物価本もコンクリート打ち放し補修は補修=薄塗りと理解し何の疑問も感じていない。

もう一度言う国交省の意味する打ち放し面補修は塗ることではないのである。

又下地調整は塗ることと標準仕様書にはっきり明記しているが用語的にいま一つはっきりしない用語であり、
モルタル塗りを付け加えて「下地調整モルタル塗り」と変更すれば、
下地調整はモルタル塗で左官が施工するものと明確に理解されると思う。

打ち放し仕上げ、打ち放し面補修、下地調整塗りの最大の問題点は
世界に類を見ない塗り材を金鏝で塗り平らな壁に仕上げる日本の左官技能を
習得できない事だ。
日本の左官技能は塗り厚の厚い壁を塗り付け鏝で塗ることによってしか習得できない
下地調整塗りの薄塗りでは日本の左官技能は身に付ける事は不可能である。

職人の技能は現場で覚えるものだ。現場でしか覚えられないともいえる。
職人が育つ、技能が磨ける設計、建築をお願いしたい。
効率化の象徴ともいえる、コンクリート打ち放し仕上げ、PC、プレカットの建築では伝統技能は滅び去るしかない。

安藤忠雄氏、内藤廣氏の錚々たる建築家はいう。日本の職人の技能は素晴らしいと。
海外で仕事をすると良く分かるのだそうだ。細かく指示をしなくても意図する事を理解し最高の品質のものを作り上げようとする日本の職人の技能、心意気は素晴らしいと称えている。

はたして両氏の建築では左官が育つものだろうか疑問に思う。

今度テレビ東京 ガイアの夜明けで野丁場の若手左官後継者の技能の習得現況を
放映したいという依頼があった。

依頼文にモルタル補修(薄塗り)を取材したいとあったので、左官にモルタル補修という仕事は無い。
今野丁場でしている仕事は主に補修ではなく下地調整塗りである。
下地調整の薄塗りでは日本の左官技能の習得は難しい。
日本の左官技能の習得には厚塗りの仕上げの壁が必要であると説明をした。
ガイアの夜明けではそのように放映することをお願いした。

放映は11月8日午後10時である。

難しい、分かりにくい問題であるが正しく認識を深めていくことが若手技能者、左官の未来のために大事である。

ガイアの夜明け後日談
テレビ局よりお詫びのTLEあり、今回は(株)根子左は編集においてカットされたとのこと、
放映を見た、友人の小倉さんと、弟子の牛島君の活躍ぶりが良く取材されていた
左官の良いPRに成ったと思う、嬉しいことだ
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