左官屋のヒトリゴト

 
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06
 
かって職人になるには親方の下に弟子入りした
年季奉公である
一般に5年間の間に技能を習得して、親方から1人前として認められたら
一年間の礼奉公をして、職人と独立できた

その間の衣食住は親方持ちだったが、6年間は小遣いしか貰えなかった
ハングリー精神がいやおうなく植え付けられたのである

弟子はその間、辛抱と我慢で、親方、先輩の技能を「盗み学ぶ」方法で
技能を習得した

伝統的な技能は「かんとこつ」理論、テキスト、言語で教える事が出来なく
具体的な仕事の場において、仕事を通して親方から弟子へ「伝えられるもの」
「学び取るもの」である
感性と知識が統合されて身体化したものが「かんとこつ」である

この6年間に弟子は親方から、技能の習得より、人間として正しい生き方、職人気質をみっちり叩き込まれた

職人気質は、「正直」「素直」な心を大事に、経済的な報酬よりも、また誰が見ていなくても
職人として納得のいく仕事をする

評価してくれるお客様のために、採算を度外視して、仕事に全精力を傾ける
それが「職人の誇り」「職人魂」であった

年季奉公は昭和45年ごろまで、辛うじて残っていた
その職人達が60歳を超えて、建設業から消えようとしている

昔のものづくりに戻ろうと呼びかける。ゼネコントップがいるが
年季の積んだ熟練技能者が消え去る現状では難しいと思う

年季奉公に替わる、職人養成システムを構築してこなかったつけが
いまの職人不足の一因であろう

どうやって、職人魂をもった左官職人を育てられるか暗中模索している毎日である


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